日本代表では近年4-2-3-1システムが主に採用されており、
3バックや、2トップはオプションとしても使われなくなってきています。
日本代表では、なぜこの4-2-3-1が積極的に採用されるのでしょうか。
歴代の日本代表フォーメーション
まずいつから4-2-3-1が採用されるようになったのでしょうか。
日本代表がワールドカップ本戦で戦った際の基本フォーメーションに、2019年のアジアカップを加えた一覧は以下となっています。
ここからフォーメーションの遷移を探ります。
大会 | フォーメーション | 監督 |
フランスW杯(1998) | 3-4-1-2 | 岡田監督 |
日韓W杯(2002) | 3-4-1-2 | トルシエ監督 |
ドイツW杯(2006) | 4-2-2-2 | ジーコ監督 |
南アフリカW杯(2010) | 4-1-4-1 | 岡田監督 |
ブラジルW杯(2014) | 4-2-3-1 | ザッケローニ監督 |
ロシアW杯(2018) | 4-2-3-1 | 西野監督 |
アジアカップ(2019) | 4-2-3-1 | 森保監督 |
この変遷を見ると2006年から4バックを採用しており、そこからは一貫して4バックです。
また1トップとなったのは2010年からであり、そこから2019年のアジアカップまでフォワード1人のシステムを採用していることになります。
なぜ4バックが採用されるのか?
ジーコ監督が2006年に4バックを採用したのはブラジル人監督だからゆえでしょう。
ブラジル代表も一貫して4バック、鹿島アントラーズも4バックを採用しており、ジーコ監督にも馴染み深いシステムです。
4バックの特長は攻撃面です。
サイドバックを置くことで、サイドでの数的優位を作りやすくなります。
これによって、サイド攻撃が活性化されます。
現代サッカーではサイドからの崩しが得点に直結することが分かっており、サイドの攻防が勝負の肝となります。
そのため日本代表も4バックを採用していると思われます。
なぜ3バックが使われなくなったか?
1998、2002と日本代表はW杯で2度基本フォーメーションとして3バックを採用しています。
これは日本が世界と比べてまだ力の差があると感じていたからではないかと考えます。
3バックは守備的なフォーメーションであり、どちらかというとカウンター攻撃が主体となります。
個の能力で劣る日本が、W杯で勝つために、まず失点しないということを念頭に置いたのが岡田監督、トルシエ監督なのではないかと思います。
また当時は2トップが全盛期であり、ほとんどのチームは2トップシステムを採用していました。2トップに対しては3バックが有効なため、これも日本代表が3バッグを採用していた理由と思われます。
なぜ1トップなのか?
2010年からは一貫して1トップを採用しています。
これにはタレント面と戦術面の両方が理由にあると考えます。
日本代表の2トップと言えば、三浦知良、中山雅史のコンビ、そして高原直泰、柳沢敦が印象深いですが、世界レベルで活躍したフォワードは少ないのが実情です。
一方、ミッドフィルダーは中田英寿、中村俊輔、本田圭佑、香川真司、小野伸二など欧州のビッグクラブでスタメンとして活躍した選手が数多くいます。
そのため、歴史的にもミッドフィルダーの方が人材豊富であると言え、これが中盤により人数を掛けている理由の1つなのではないでしょうか。
日本に優秀なミッドフィルダーが多いのは、キャプテン翼の影響であるという説もありますが、それはまた別の機会で述べます。
また近年ではサイドを崩して、中で仕留めるという形がサッカーにおいて最も得点に繋がっていることが分かっており、サイド攻撃が肝となっています。
その場合、人数を割きたいのはサイドになるため、中央には横からのボールに強いフォワードを置くのが定石です。
さらに日本代表の大迫勇也選手のようにポストプレーができると、味方がサイドに上がる時間を作れるため、サイドプレーヤーがさらに活きることになります。
2019年の日本最強布陣
ここで2019年の日本代表の最強布陣について考察します。
GK シュミット・ダニエル
DF長友佑都
DF吉田麻也
DF冨安健洋
DF酒井宏樹
MF遠藤航
MF柴崎岳
MF中島翔哉
MF香川真司
MF乾貴士
FW大迫勇也
フォーメーションはもちろん4−2−3−1です。
準優勝の結果を残したアジアカップのメンバーがベースですが、個人的に課題が残ったと感じているのはGK(権田)と攻撃的MF(堂安、南野、原口)のポジションです。
GKは安定感に欠けた権田の代わりに、高さも足下の技術もあるシュミットを起用したいと思います。
シュミットは粗削りな面はありますが、ポテンシャルは今のGK陣で最も期待できると思います。
攻撃的MFについては、アジアカップでは3人が効果的な働きができていなかったと感じており、盤石という体制ではないと考えています。
南野の代わりにトルコで復活した感がある香川、堂安の代わりに香川と相性がよい乾、原口の代わりに怪我から復帰した中島翔哉を使いたいと考えています。
DFラインの4人と、大迫は控え選手とのレベルの差が大きいため、アジアカップのままでよいと考えています。
ただし、森保監督も東京オリンピック、カタールワールドカップを見据えているはずであり、20代前半の選手に経験を積ませるために使いたいと考えているはずです。
今年ワールドカップがあれば若手選手を無理に使うことはしないでしょうが、しばらくは若手選手が中心になるのではないでしょうか。
特に海外移籍を果たした板倉滉、中山雄太や、ブレイクが期待される久保建英などはこれから代表メンバーに入ってくることが十分に考えられます。
まとめ
改めて過去の日本代表のフォーメーションを振り返るのも楽しいものです。
皆さんのお気に入りの代表は、どのフォーメーションだったでしょうか。
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