アジアカップ2019年が1月5日に開幕しました。
日本の初戦は、1月9日(水)にトルクメニスタンが相手です。
長友が言っていました。「アジアカップはワールドカップよりもプライドをかけた戦いになる」と。
なぜなら、日本はアジアの中では常にトップに君臨しアジアのサッカーをけん引していく存在でいないといけないから。
前回オーストラリアで開催されたアジアカップ2015は、準々決勝でアラブ首長国連邦(UAE)にまさかのPK戦負け。香川真司がPKを外したシーンを覚えている人もいるんじゃないでしょうか。
今回のアジアカップ2019は奇しくもそのUAEで開催されています。
日本が前回のリベンジを果たし、2大会ぶりの優勝を飾るために、優勝したアジアカップ2011を振り返り、優勝するための条件を探っていきたいと思います。
アジアカップ2011を振り返る
日本代表のメンバーと結果
※太字がレギュラー
GK
川島永嗣
西川周作、権田修一
DF
今野泰幸、長友佑都、内田篤人、吉田麻也
伊野波雅彦、岩政大樹、森脇良太、永田充
MF
遠藤保仁、長谷部誠、香川真司、本田圭佑、松井大輔
細貝萌、本田拓也、柏木陽介、藤本淳吾
FW
前田遼一
岡崎慎司、李忠成
監督
アルベルト・ザッケローニ
01/09 日本1-1ヨルダン
01/13 日本2-1シリア
01/17 日本5-0サウジアラビア
01/21 日本3-2カタール
01/25 日本2-2(PK3-0)韓国
01/29 日本1-0(延長)オーストラリア
グループステージ(特に初戦ヨルダン戦)
同じグループにはヨルダン、シリア、サウジアラビアがいました。この中では過去3度の優勝を誇るサウジアラビアが難敵になると思われましたが、蓋を開けてみればサウジアラビアは全敗で早々にグループステージで姿を消しました。
日本の初戦はヨルダン。初戦が大事とはよく言いますが、この大会、日本は初戦をあと少しで落とすところでした。
前半にヨルダンの選手のシュートがDF吉田麻也の足に当たり、コースが変わってゴールに吸い込まれてしまいました。
その後、日本が反撃を試みるもなかなか点が奪えないまま後半アディショナルタイムへ。敗戦濃厚だった残りあとわずかのところで、吉田麻也が起死回生のヘディングシュートで同点に!なんとか初戦を引き分けで終えることができました。
初戦を落としていたら、ヨルダンが1位通過して、もしかしたら日本の優勝はなかったかもしれません。
この初戦のヨルダン戦が1つのターニングポイントだったと言えます。
なお、2戦目、3戦目の結果は以下のとおり。
- 2戦目 vsシリア 2-1(得点:長谷部、本田圭)
- 3戦目 vsサウジアラビア 5-0(得点:岡崎3、前田2)
準々決勝(カタール戦)
開催国カタールとの一戦は激闘でした。
吉田麻也がその日2枚目のイエローカードをもらい退場となり、数的不利に。このプレーで与えたフリーキックをニアサイドに直接決められ、1-2と勝ち越されました。
それでもこの日は香川が乗りに乗っており、後半26分に同点ゴールを決めると、終了間際の後半45分にペナルティエリア内でDF、GKを巧みにかわしてシュート体勢に入ったところを相手DFのスライディングでボールがこぼれ、走り込んでいた伊野波が流し込んで逆転。
エース香川の3得点に絡む活躍もさることながら、「なぜ伊野波があそこにいた?!」という点もクローズアップされ注目されました。
累積警告による出場停止の内田に代わって、伊野波はこの日が代表で国際Aマッチ初先発でした。本職でない右サイドバック。ベンチからも長谷部からも「前に行くな」という指示があったといいます。
しかし、もう後半も終盤。数的不利の日本が勝つには前に行くしかないと本能的に感じた伊野波は、チームメイトも驚くポジション取りで、一番おいしいところをかっさらっていきました。
控えの選手がヒーローになった瞬間でした。
優勝するための条件②:エースの活躍
優勝するための条件③:日替わりヒーローの誕生
準決勝(韓国戦)
韓国戦での最も印象的なプレーは、延長前半の細貝萌のゴールじゃないでしょうか。本田圭佑のPKが相手GKに弾かれたものの、後ろから猛然と走り込んできた細貝萌がきっちりゴールをし、本田のPK失敗をチャラにしたシーンのことです。
細貝もこの試合、後半42分に投入された控え組の選手でした。
この日も日替わりヒーローが誕生したのです。
結局その後同点に追い付かれ、PK戦の末、韓国の3人連続失敗という運もあって勝利しました。
ここで注目したいのは、アジアカップ2004以来、2007年、2011年、2015年と4大会連続PK戦があるということです。
2004年は伝説のPK戦途中でのコートチェンジがあった大会です。中村俊輔、三都主アレサンドロが立て続けに外したため、キャプテンの宮本恒靖が主審に交渉し、異例のコートチェンジが認められました。その後は川口能活の神がかり的セーブによってヨルダンに逆転勝利。
2007年は準々決勝でオーストラリアにPK戦の末勝利していますが、準決勝でサウジアラビアに敗退し、3位決定戦では韓国にPK戦の末敗戦。
2015年は準々決勝でUAEにPK戦の末敗れています。冒頭で書いたように、最後は香川真司が外したシーンが印象的でした。
このように、トーナメントに進出したらPK戦は常に想定しておく必要があるということです。
そして、2004年の奇跡のPKのように、自分たちで運を引き寄せるパワーも勝ち抜く上では必要です。「勝ちたいという強い気持ち」ですね。
決勝(オーストラリア戦)
オーストラリアとの決勝ゴールはよくテレビでも流れましたので、覚えている人も多いと思いますが、長友のセンタリングを李忠成がダイレクトボレーできれいに決めたゴールですね。
セルジオ越後氏の「李だ、李だよ~」の絶叫が耳に残っています。
この李も控え組。延長前半8分に投入された李は、最後の最後で大仕事をやってのけました。
最後を締めくくる日替わりヒーローの誕生でした。
中東の笛
アジアカップ2019はアラブ首長国連邦(UAE)での開催になります。
ということは、いわゆる「中東の笛」に注意しなければなりません。
「中東の笛」とは、アラブ諸国にとって有利になるようなジャッジのことを言います。
ワールドカップ予選なんかでもたびたび耳にすることがありますよね。
とにかく不可解なジャッジにも冷静に対応することが大切です。熱くなって審判に抗議し退場なんてことになったら相手の思うつぼ。
正々堂々と勝利のことを考えてプレーをすれば絶対勝てます。
優勝するための5つの条件を整理
以上、アジアカップ2011を振り返りながら、優勝するための条件を5つ挙げてみました。
整理すると、
- 初戦を落とさない
- エースの活躍
- 日替わりヒーローの誕生
- 自分たちで運を引き寄せる強い気持ち
- 中東の笛に惑わされるな!
アジアカップ2019に当てはめると、
- 初戦のトルクメニスタンは絶対落とせない!
- 今の代表で一番乗っている南野の活躍に期待!
- 個人的には、武藤嘉紀、伊東純也あたりがヒーローに!
- 前回のリベンジもあり気持ちは強いはず!
- 中東の笛に惑わされるほどやわな選手たちじゃない!
5つの条件をクリアできれば、優勝は間違いなし!!
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