2019シーズンのJリーグも17試合を消化し、早くも折り返し地点に到達しました。
ACL組は1試合消化試合が少ない状況ではありますが、前半戦で首位に立ったのはFC東京でした。
しかし、Jリーグでは過去前半戦首位に立ったチームが、そのまま優勝を果たした例は実は少なく、このままFC東京が優勝できるかどうかはまだ分かりません。
また、もはや例年通りと言って問題ないと思われますが、シーズン開幕前に上位に予想されていたチームが軒並み、中位、下位に沈んでいます。
特にイニエスタ、ビジャ、ポドルスキを要するヴィッセル神戸がこれほど苦しむとは、シーズン前に予想できなかった方は多いのではないでしょうか。
J1リーグ2019で期待以上の成績を上げている3チーム
まず前半戦を終えて、期待以上の結果を出しているチームは、FC東京(1位)、横浜Fマリノス(3位)、大分トリニータ(4位)の3チームでしょう。
<FC東京>
長谷川健太監督の就任2年目となりますが、持ち前の堅守速攻戦術がチームに浸透し、前半戦わずか2敗で首位に立っています。
この成績を支えているのが17試合で12失点という堅い守備と、個で打開できる攻撃陣の存在でしょう。
チームの躍進を支えた久保はレアルマドリードに移籍をしてしまいましたが、ディエゴ・オリヴェイラ、永井の2トップは非常に強力であり、少々ラフなボールでも個人技で得点に繋げられる能力があります。
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後半戦も守備陣が大きな崩壊をすることは考えづらく、優勝は攻撃陣がどこまで得点を量産できるかに掛かってきます。
<横浜Fマリノス>
前年度に降格争いをしていたということを考えれば、前半戦を終えて3位という成績は褒められるべきでしょう。
2年目となったポステコグルー監督の攻撃的サッカーは、マンチェスターシティを彷彿とさせ、得点数はリーグ1位です。
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エジガル(8点)、マルコス(8点)、仲川(7点)と前線の3人が全て得点ランキング7位以内に入っているということが、その攻撃力の異常な高さを証明しています
ただし、圧倒的に勝つ試合もあれば、大量失点で敗北する試合もあり、まだまだ成績が安定しないという面があります。
マリノスの特殊なサッカーに対策をしてくるチームに勝つことができれば、15年振りのリーグ優勝も現実味を帯びてくるでしょう。
<大分トリニータ>
積み上げた勝ち点数は実に29、前半戦最大のサプライズと言えます。
シーズン前は降格候補の筆頭とされていましたが、4位に付けており堂々たる戦いぶりです。
しかしながら昇格チームの目標はまずJ1残留です。昨年度の残留ラインは歴代で最も高い勝ち点41でしたが、例年は35程度に落ち着くはずなので、最低でもあと3勝できれば問題なく残留できるでしょう。
他チームに比べ、厳しい予算編成の中、ここまでの成績を残せている要因は間違いなく片野坂監督の手腕です。
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8得点を挙げ、得点ランキング3位に位置するエース藤本憲明も、29歳と遅咲きではありますが日本代表待望論が持ち上がっています。
J1リーグ2019で期待を裏切った2チーム
逆に前半戦を終えて、期待を裏切っているチームはヴィッセル神戸(11位)と浦和レッズ(12位)でしょう。
<ヴィッセル神戸>
イニエスタ、ポドルスキに加え、ビジャ、サンペールを加えたチームはタレント力でいえば、Jリーグでも飛び抜けています。しかし、結果的に11位という不本意な順位に位置しています。
歯車が狂った最大の要因は、やはりリージョ監督の突然の辞任でしょう。
リージョ監督辞任後は吉田孝行監督が再登板しましたが、イニエスタ、ポドルスキの負傷による長期欠場も重なり、ほとんど勝ち点を伸ばすことができませんでした。
フィンク監督就任後は、イニエスタの復帰も重なり、チームの状況は持ち直しており、このまま中位に沈んだままとはならないと思われます。
<浦和レッズ>
こちらもシーズン前に日本代表経験者の杉本健勇、山中亮輔を補強したことから、タレント力では日本屈指でしたが、オリベイラ監督の戦術がなかなか浸透せず、思うように勝ち点を伸ばせませんでした。
チームは監督交代を決断しますが、後任は昨シーズンも臨時監督として就任していた大槻監督です。
大槻監督就任後は勝負強さを取り戻しており、ACLでも順調な勝ち上がりを見せています。
もともとタレント力はあるチームのため、ここから巻き返していく可能性は大いにあります。
J1リーグ2019の残留争い4チーム
前半戦を終えて、降格圏に沈んでいるのはジュビロ磐田(18位)、松本山雅FC(17位)、サガン鳥栖(16位)の3チームです。
彼らに共通するのは、得点力不足です。それぞれが12点、9点、12点と1試合に1点取れていないペースのため、勝ち星を伸ばすことができず下位に沈んでいる要因です。
湘南ベルマーレ(15位)も深刻な得点力不足に陥っており、この4チームが降格候補と言えます。
すでにジュビロ磐田、サガン鳥栖は監督交代を決断しています。サガン鳥栖は9節を終えた時点で監督交代を決断しました。それまでリーグ戦でわずか1得点のみの惨状でしたが、監督交代後は8試合で11得点を挙げており、監督交代の効果はあったと言えます。
ジュビロ磐田はサポーターから絶大な人気があった名波監督が、17節終了後に辞任を発表しました。後任はクラブOBの鈴木秀人監督ですが、この交代が実を結ぶのかが注目されます。
成績不振ながらも監督交代が難しいのが、松本山雅FCと湘南ベルマーレです。
反町監督、チョウ監督とチームをこれまでチームを牽引してきた功労者のため、クラブ側も簡単には切れません。
この両監督に共通しているのは、過去チームがJ2へ降格した際にも引き続き監督を続けているということです。
フロントがどこまで我慢するのか注目されます。
まとめ
前半戦を終えただけでは、最終的にどのチームが優勝するのか、降格するのかは全く分かりません。
各チームの実力が伯仲していることから、前年上位であったチームが翌年に簡単にJ2に降格してしまうのがJリーグです。
だからこそ、予想できない面白さがあり、それがJリーグの最大の魅力と言えます。
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