Jリーグの各クラブは、下部組織を持つことをリーグから義務付けられています。
これはJリーグのクラブライセンス制度に定義されているルールのためで、下部組織を持たない場合、該当クラブにはクラブライセンスが発行されません。
そのため、Jリーグに所属する各クラブは必ず下部組織チームを持っているということになります。
また2019シーズンからは、ホームグロウン制度も導入され、トップチームには自クラブの下部組織に所属していた選手の登録が必要となりました。
そのため、各クラブにおける下部組織の位置付けが、ますます高いものになっています。
今回は、ユース出身の日本代表選手の割合や、Jリーグの下部組織の構成、プロ選手を輩出しているユースチームランキングなどをご紹介します。
最新の日本代表メンバーでユース出身選手は何人?
Jリーグの下部組織で育った選手と、高校の部活で育った選手の割合は、最新の日本代表メンバーではどのようなになっているのでしょうか。
調べてみました。
ユース出身の日本代表(14人)
権田修一(FC東京)
冨安健洋(アビスパ福岡)
吉田麻也(名古屋グランパス)
酒井宏樹(柏レイソル)
安西幸輝(東京ヴェルディ)
畠中槙之輔(東京ヴェルディ)
原口元気(浦和レッズ)
遠藤航(湘南ベルマーレ)
中島翔哉(東京ヴェルディ)
南野拓実(セレッソ大阪)
堂安律(ガンバ大阪)
久保建英(FC東京)
橋本拳人(FC東京)
板倉滉(川崎フロンターレ)
高体連出身(9人)
シュミット・ダニエル(東北学院高校)
川島永嗣(浦和東高校)
植田直通(大津高校)
長友佑都(東福岡高校)
柴崎岳(青森山田高校)
伊東純也(逗葉高校)
大迫勇也(鹿児島城西高校)
永井謙佑(九州国際大学付属高校)
鈴木武蔵(桐生第一高校)
上記の通り、14:9でクラブユース出身選手の割合が大きくなっています。
ちなみに日本代表が1998年に初出場したフランスワールドカップでは、Jリーグクラブの育成組織出身選手は0人でした。
しかし、Jリーグ発足から25年が経過し、Jリーグチームの育成組織が成熟してきたこともあり、ユース出身選手が徐々に増えてきています。
2018年のロシアワールドカップでは、約半数がJリーグクラブ出身選手となりました。
Jリーグの下部組織構成とは?
下部組織として有名なのは、Jリーグ発足間から育成組織を持っていた東京ヴェルディユースや、横浜Fマリノスユースなどでしょう。
育成年代と言っても、その中でも細かいカテゴリーが存在しますので、今回は横浜F・マリノスを例に下部組織を紹介します。
横浜F・マリノス プライマリー
横浜F・マリノスの小学生チームです。
公式戦でも彼らはトップチームと同じユニフォームを着て戦います。
小学校3年生から選手が所属しており、各学年で10人前後と少人数で活動しています。
プライマリーに入団するためには、マリノス関係者からのスカウトか、セレクションが必要になります。
プライマリーは横浜と横須賀に2チームが存在していますが、人気が高くセレクションを通した入団は毎年非常に狭き門となっています。(例年200人以上が受けて、合格が数人と言われます)
横浜F・マリノス ジュニアユース
横浜Fマリノスの中学生チームです。
プライマリーと同じく、横浜と追浜(横須賀)に2チーム存在しますが、基本的にプライマリーからの内部昇格とスカウトがほとんどを締めます。
一般向けのセレクションも開催されていますが、プライマリーよりも更に入団難易度が上がります。
ジュニアユースに外部から入団できる選手は、少なくとも県選抜レベルの実力を持つような選手ですが、そのような選手は事前にスカウトで入団が決まっていることがほとんどであることから、一般向けのセレクションでの合格率はかなり低いと思われます。
横浜F・マリノス ユース
横浜Fマリノスの高校生チームです。
ここからは2チームあったジュニアユースチームは、横浜の1チームに統一されます。メンバー構成としては、ジュニアユースと同じく内部昇格とスカウトが大半を占めます。
一般からのセレクションも実施されますが、合格者が0人の場合もあり、ユースに一般セレクションから入団するのは非常に難しいと言えます。
マリノスからは毎年、ユースチームから2名ほどトップチームに昇格しますが、トップチームで活躍する選手たちは、ここまで狭き門を通った上で、トップチームに昇格しています。
なお中村俊輔も横浜マリノスジュニアユース出身ですが、ユースチームに昇格できずに高校の部活に移籍したという経緯があり、マリノスの育成組織のレベルの高さが伺い知れます。
他のクラブチームの育成組織の構造も、マリノスと大きく変わりません。
小学生~高校生までのチームを持っています。
プロ選手を多く輩出しているのはどのチーム?
2019年度にJリーグでプレーしている選手数を基準に、ユース出身選手の数をランキング形式でまとめた記事がありますので、引用してご紹介します。
参考:https://www.soccerdigestweb.com/news/detail2/id=54439
2019年育成組織出身選手数ランキング
順位 | チーム | 人数 | 主な選手 |
1 | 横浜FMユース | 46人 | 齋藤学 |
2 | FC東京U-18 | 41人 | 橋本拳人 |
3 | 東京Vユース | 39人 | 三竿健斗、畠中槙之輔 |
3 | 柏U-18 | 39人 | 中村航輔 |
5 | C大阪U-18 | 38人 | 山口蛍、柿谷曜一朗 |
6 | G大阪ユース | 37人 | 家長昭博 |
7 | 広島ユース | 33人 | 槙野智章、柏木陽介 |
8 | 浦和ユース | 28人 | 橋岡大樹 |
9 | 札幌U-18 | 25人 | 西大伍 |
10 | 大分U-18 | 23人 | 清武弘嗣、西川周作 |
やはりTop10に入るクラブは、育成の名門クラブとして有名であり、ランキングはそれが反映されたものになっていると言えます。
まとめ
サッカーをしている子供の親は、息子をJリーグチームの下部組織に入れたいと願うものですが、入団にはかなりの実力が必要になります。
まずはどんな内容のセレクションになるのかなど、子供と一緒に考えてあげたいですね。
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