横浜F・マリノスの15年振りの優勝で幕を閉じた2019シーズンのJ1リーグ。
前年、J1残留争いに巻き込まれていたチームをシーズン開幕前に優勝予想する評論家は皆無であり、今シーズンの結果は番狂わせと言えます。
そんなチームで強烈な存在感を示し、チームのエースとして得点王とMVPをダブル受賞したのが仲川輝人です。
マリノスでの活躍が認められた形で、2019年12月10日から韓国で行なわれているE1選手権の日本代表にも初選出されました。
仲川輝人のプロフィール
身長は161cmと小柄ですが、イケメンですね。2019年12月時点(27歳)ではまだ独身のようです。
名 前 | 仲川 輝人(なかがわ てるひと) |
出身地 | 神奈川県川崎市 |
生年月日 | 1992年7月27日 |
身長/体重 | 161cm/57kg |
所属/背番号 | 横浜F・マリノス/23 |
ポジション | FW・MF |
利き足 | 右足 |
仲川輝人プレースタイル
仲川選手の最大の武器はスピードです。
トップスピードに入るまでが短く、さらにメッシのように足からボールが体から離れないため、一度スペースを与えると自陣から一気にゴール前まで迫ります。
最も仲川の能力が現れているのは、今シーズンのコンサドーレ札幌戦でのゴールでしょう。
この試合、仲川はハーフライン手前でボールを受けると、そのまますぐにトップスピードに乗り、札幌のディフェンスラインを突破すると、そのままゴールキーパーをかわしてゴールを決めています。
このゴールはまさに仲川の特徴が大きく出ているプレーと言えるでしょう。
2018シーズン前まではゴール前までは持って行けますが、最後のシュートを外してしまうという課題がありました。
しかし2018シーズンのジュビロ戦でのJ1初ゴールを皮切りに、ゴール前での決定力が大きく向上し、難しい状況でもゴールの枠を捉えられるようになりました。
本人曰く、初ゴールをきっかけに精神的に余裕ができ、ゴール前でも慌てることがなくなったとコメントしています。
2019シーズンは15ゴールを決めていますが、その内訳としては右足6得点、左足7得点、ヘディング2得点です。右足でも左足でも遜色なくゴールを決めることができるのも仲川の特長です。
仲川輝人の経歴
2019シーズンのJ1 MVPに輝いた仲川ですが、これまでのキャリアを振り返ると挫折が多く苦労人と言えます。
川崎フロンターレのユース出身ですが、トップチーム昇格を果たせず、専修大学に進学します。
専修大学では1年次からスーパールーキーとして活躍し、関東大学リーグ2部から昇格1年目での優勝に大きく貢献しました。
2年時、3年時にもチームのエースとして専修大学を優勝に導くと、大学No.1プレーヤーの評価を確固たるものとし、数多くのJリーグクラブ、海外クラブから獲得オファーが届き、その未来は前途洋々と思われました。
しかし仲川のキャリアが暗転してしまったのは、4年時の大学リーグ戦で負った右膝靭帯断裂、半月盤損傷の大怪我です。
選手生命が危ぶまれるレベルの大怪我であり、さらにスピードを武器にしていた仲川にとっては致命的とも言える負傷でした。
この大怪我を負った仲川に対し、オファーを取りやめるクラブもありましたが、横浜F・マリノスは負傷後も一貫して仲川にオファーを送り続け、仲川はマリノスへの入団を決めます。
このことが仲川のマリノス愛を強くするきっかけとなったと本人も語っています。
マリノスでの1年目のほとんどをリハビリに費やし、リハビリから戻ったあとも大学時代のキレを取り戻すことができず、出場機会を得ることはできませんでした。
マリノスでの出場機会を手にするために、町田ゼルビア、アビスパ福岡へのレンタル移籍を繰り返し、その中で徐々に体のキレを取り戻していきますが、大学時代に最大の武器であった決定力が戻ることはありませんでした。
マリノスに復帰した2018シーズンはラストシーズンと覚悟を持って挑みますが、当初ポステコグルー監督からは戦術理解不足と判断され、紅白戦のメンバーにも入れてもらえない日々が続きました。
そんな仲川にとって、転機になったのはルヴァンカップ予選リーグのFC東京戦です。
ここでスタメン出場した仲川は存在感を示し、ポステコグルー監督からの信頼を勝ち取ります。
その直後の第12節のジュビロ磐田戦で途中出場を果たすとJ1初ゴールを決め、そこから不動の存在としてスタメンを奪います。
結局、2018シーズンは9得点を奪い、覚醒というよりも大学時代の能力が遂に戻った言えるシーズンとなりました。
2019シーズンは背番号を19から23に変更し、背番号と同じ数のゴールを目標にしました。
途中アシストと合わせて23と目標修正しましたが、15ゴール9アシストと圧倒的な成績を残し、見事目標を達成するとマリノスのリーグ優勝に大きく貢献します。
なお特筆すべきことに、仲川は2019シーズンで1本もPKを蹴っていません。
2019シーズンJ1リーグ得点ランキング
①仲川輝人 | 15得点(PK 0) |
①マルコス・ジュニオール | 15得点(PK 5) |
③ドウグラス | 14得点(PK 2) |
③ディエゴ・オリベイラ | 14得点(PK 4) |
⑤ダビド・ビジャ | 13得点(PK 4) |
上位5人のメンバーは全員PKを蹴っていることから、いかに流れの中で仲川が得点に絡んでいたかが分かります。
まとめ
まだ27歳と海外を諦める年齢ではありません。来シーズンの活躍によっては、海外移籍を果たす可能性もあるでしょう。
ただ、マリノスもエースの流出を簡単に認めない可能性も高く、また本人のマリノス愛も強いため、来シーズン以降も絶対的エースとしてマリノスに君臨し続ける可能性もあります。
日本代表としての活躍にも期待したいですね。
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