今、日本のゴールキーパーの中で、年齢・実力からいって一番飛躍が期待されているのは、柏レイソルに所属する中村航輔で間違いないでしょう。
ロシアワールドカップでも日本代表に選ばれており、その実力は折り紙つきです。
もっとも、7月18日のJ1第16節のFC東京戦で負傷退場し、脳震盪と診断されました。実は5月の第15節名古屋戦でも脳震盪を起こしており、わずか2カ月のうちに2度の脳震盪。さすがにすぐ復帰というわけにはいかずしばらく戦線を離脱することになりました。
その間、森保ジャパンが始動しましたが、中村は療養中であったため、まだ選出されていません。
今回は、将棋が大好きな中村航輔のプレースタイルと、脳震盪の影響、柏レイソルからの移籍の可能性についてまとめましたので、最後までご覧ください。
中村航輔のプロフィール
ゴールキーパーとして上背はある方ではありませんが、その類まれなるセンスで、若くして柏レイソルの守護神の座を獲得しています。
名 前 | 中村 航輔(なかむら こうすけ) |
出身地 | 東京都北区 |
生年月日 | 1995年2月27日 |
身長/体重 | 185m/82kg |
所属/背番号 | 柏レイソル/23 |
ポジション | GK |
利き足 | 右足 |
中村航輔のエリートGKとしての経歴
柏レイソルユースの出身で、優秀な若手選手を排出し続ける育成組織の中でも、最高傑作と評されます。
中村はユース年代の代表常連であり、若くから将来を渇望されていました。
ユースから順調にトップ昇格を果たしますが、昇格直後は菅野孝憲が守護神としてゴールマウスに君臨していました。そのため、試合出場機会を得ることができず、J2のアビスパ福岡に期限付き移籍します。
中村の名が一気に全国区となったのは、このアビスパでの活躍です。
アビスパでは獅子奮迅の活躍を見せ、J1昇格の立役者となります。
あまりにも素晴らしい活躍であったため、翌年のJ1での戦いに備え、アビスパは中村に対して相当慰留をしたようです。
しかし、柏レイソルも中村を高く評価しており、なんと当時チームの守護神であった菅野を京都に放出してまで中村のためのポジションを空けました。
中村は柏復帰を決めますが、復帰後も期待を裏切らないプレーを続け、日本代表にも召集されるようになります。
2018年のロシアワールドカップの本大会メンバーにも選ばれており、当時のクラブでの活躍から中村を正ゴールキーパーに推す世間の声も多くありました。しかし、大会直前に就任した西野朗監督は経験を重視し、ベテランの川島永嗣を重宝したため、中村には出場機会は訪れませんでした。
ワールドカップ後の正ゴールキーパーは中村で間違いないと思われていましたが、Jリーグで続けざまに2度の脳震盪を起こし、頭部へのダメージが続いたことから長期離脱を強いられることとなります。そのため、まだ森保監督の日本代表には選ばれていません。
ただし、11月3日の川崎フロンターレ戦で復帰を果たしているため、欠場前のパフォーマンスが復活すれば日本代表復帰も間違いないと思います。
中村航輔のプレースタイル
身長185センチとゴールキーパーとして上背はないものの、抜群の身体能力を活かした至近距離からのシュートストップについては、日本で右に出るキーパーはいないでしょう。
気持ちの強さもあり、とにかくその熱いプレーぶりはまるで往年の川口能活のようです。
足下の技術も高く、柏レイソルでも確実にボールを繋ぐプレーを見せています。
中村は予備動作も秀逸です。優秀なキーパーはシュートを打たれる前にある程度コースを予測しますが、中村はこの精度が高く、ほとんどのシュートを正面で受けているように見えます。
これはどこにボールが来るのかを高い精度で予測した上で、あらかじめ最適なポジションを取っているためであり、大体どこに来るのかのかが判れば、あとは反射神経の勝負ですので、優れた反射神経を持つ中村であれば大抵のシュートはキャッチできることになります。
中村は将棋が大好きということで、このあたりの読みの精度の高さは将棋から来ているのかも知れません。
自分の前のディフェンダーをどう動かせば、ボールが自分の正面に飛んでくるのかを、まるで将棋の駒を動かす様に中村は考えていると思われます。
【3分で分かる中村航輔のスゴさ】
将棋会とJリーグ
あまり接点がないように思われますが、将棋界とJリーグは何度かコラボを実施したことかあります。
例えば中村が所属する柏レイソルでは、ファン感謝デーで中村がプロ棋士と対決する企画がありました。ここではハンデがありつつも、中村がプロ棋士から白星を上げており、話題になりました。
将棋会と最もコラボしているのは横浜F・マリノスであり、これはクラブアンバサダーの波戸康広氏が将棋親善大使となっているためです。
波戸自身も日本代表になった実力者であることから、サッカーの思考力のトレーニングにおいても、将棋は有効なのかも知れません。
怪我(脳震盪)の影響は?
前述しましたが、今年に入って中村は試合中の接触により、2度脳震盪を起こしており、2度目の脳震盪のあとは大事を取って暫く戦列を離れることになりました。
ゴールキーパーというポジション自体、どうしても接触が多くなるため、仕方のない側面はありますが、脳震盪は命に関わるケースや、重篤な後遺症を残す危険性があるため、無理をさせることはできません。
幸いにもリーグ終盤に戦列復帰していますが、怖いのが脳震盪の記憶がトラウマとなってしまい、プレーに影響が出てしまうケースです。
中村自身は気にしないかも知れませんが、自分がコントロールできないところで体が本能的にプレーをセーブしてしまうことはよくあることであり、これはイップスと呼ばれます。
復帰後の試合を見る限り大丈夫だとは思いますが、心配にはなりますね。
J2降格の柏レイソルから移籍する可能性は?
今シーズン、柏レイソルは厳しい戦いを強いられ、9シーズンぶりにJ2への降格が決定しました。
中村ほどの選手であれば、他のJ1チーム、海外リーグのチームからのオファーは殺到すると思われますので、2019年シーズンをどこのチームで戦っているか注目が集まります。
柏レイソルユース出身ですので、クラブへの忠誠を近い、1年での復帰を目指して残留する可能性もあります。
もっとも、2連覇で多額のダゾーンマネーを獲得している川崎フロンターレ、曽ヶ端の後継者を探す鹿島アントラーズ、楽天マネーを使えるヴィッセル神戸などは中村獲得に本腰をあげる可能性はあると思います。
なによりJ2では代表から遠ざかることは間違いないと思われますので、中村が自身のキャリアをどのように考えるのかも注目です。
追記
まとめ
中村航輔が出始めたころ、この選手は絶対日本代表の正ゴールキーパーになる器だと思った記憶があります。
GKというポジションがら、一度正GKとして定着してしまうとなかなか代わることがありませんが、ロシアW杯が終わり、当時の正GKであった川島が森保ジャパンでは招集されていません。
つまり、今が中村にとっては最もチャンスなのです。
今のところロシアW杯で第2GKだった東口が暫定的に正GKとなっていますが、横一線だと思っています。権田、シュミット・ダニエル、そして中村。完全復帰を果たせば中村にも十分代表正GKの座を狙える実力はあります。
この中でも一番若い中村航輔が一押しです!
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