サッカーのルールの中で、オフサイドって初心者には分かりにくいと思います。
なかなか言葉だけで説明するのが難しいからです。
ハンドの反則なら、
「ボールを手で触ったらだめだよ。」
と伝えれば、理解できますよね。(実際は細かいルールがありますが)
オフサイドの反則については、
「味方にボールをパスした瞬間に、相手の一番後ろにいるDFより前にいたらだめだよ。」
と言われても何のことかさっぱり分かりません。
そこで、図を使ってオフサイドのルールと、オフサイドトラップという戦術について、分かりやすく説明していきたいと思います。
また、2018年にオフサイドのルールが若干改定されています。
オフサイドの基準に関する変更ではなく、オフサイド判定後のプレー再開の位置が変更されています。
現役競技者でなければ、気づきにくいルール変更ですが、その変更点についてもまとめてあります。
サッカーのルール オフサイドとは?
サッカーで一番わかりにくいと言われるオフサイドの反則ですが、ルール上は
ボールが味方競技者によってプレーされたか触れられた瞬間にオフサイドポジションにいる競技者は、プレーにかかわっている場合にのみ罰せられる
と定義されています。
いくつか例外はあるのですが、簡単に言うとパスが出た瞬間にDFラインの一番後ろの選手よりも前でボールを受けようとするとオフサイドとなります。
<イメージ>
オフサイドルールの原型は1925年に制定されており、かなり初期から存在するルールです。
なぜオフサイドルールが存在するかということを考えてみると、理解しやすいと思うのですが、例えばオフサイドルールがなければ、各チームは軒並み以下のような戦術を取ると思います。
<オフサイドルールがない場合の戦術>
つまりGKの前に常に味方選手を配置しておけば、ボールを奪ってすぐにロングボールを蹴るだけで得点の大チャンスになります。
これだとひたすらボールを裏に蹴り続けるだけでゴールを決めることができるからです。
これがオフサイドルールの存在する大きな理由です。
オフサイドがなければ、グアルディオラや、クロップなどの名だたる監督の戦術は一気に崩壊してしまいます。
サッカーの戦術 オフサイドトラップとは?
オフサイドトラップという戦術がありますが、これはオフサイドのルールを利用したディフェンス戦術のことを指します。
これも図で説明したほうがわかりやすいので、下の図をご覧ください。
① まずオフサイドトラップを仕掛ける前は以下の状態だったとします。
② このタイミングでDFが意図的にポジションを前に移動することで、元々オフサイドではなかった選手をオフサイドの位置にし、ボールを出されないようにします。これがオフサイドトラップです。
オフサイドトラップは、ハイスピードの攻防の中で行われるため、非常に高度な駆け引きがDFとFWの間で繰り広げられます。
オフサイドに引っかからないギリギリのタイミングで抜け出すことができれば、一気にGKとの1対1の局面となるため、この駆け引きに長けているフォワードはラインブレーカーと呼ばれます。
名手として名高いのは、元イタリア代表のフィリッポ=インザーギです。
元マンチェスターユナイテッドのファーガソン監督は、インザーギを「オフサイドラインで生まれた男」と評しています。
日本人であれば佐藤寿人が第一人者と言えます。
オフサイド判定後のプレー再開位置の変更(2018年)
2018年以前のオフサイドルールでは、プレー再開位置はオフサイドラインでした。
しかし、2018年のルール改定で「オフサイドと判定されたプレーヤーの位置」からの再開となりました。
図で説明しますね。
■オフサイド判定
オフサイドの判定はこれまでと同じです。
■再開位置
プレーの再開位置が、旧ルールと新ルールで少し異なります。
<旧ルール>
<新ルール>
上記のように新ルールではプレー再開位置が変わりました。
ルール変更の影響
一見、あまり影響がないルール変更に見えますが、再開位置がオフサイドラインではなく、プレーに関与した位置からになるということは、ディフェンダーからすると極めて影響が大きい変更となりました。
これまでフォワードのプレーヤーは、明らかにオフサイドであると判定された時点でボールを追うのを止めていました。
わざわざボールを追うことで体力を消費するのも無駄と考えるからです。
しかし、新ルールではプレーに関与し、審判にオフサイドと判定された位置からの再開となるため、ボールを追えばこれまでよりも相手ゴールに近い位置からの再開となります。
つまりルール変更の影響は、オフサイドと判定される、されないにも関わらずプレーが止まらなくなるであろうということです。
これはフォワード有利のルール変更であり、ディフェンダーにはかなりプレッシャーが掛かります。
ディフェンダーからすると、審判に早くオフサイドと判定してほしいと思うのは当然でしょう。
実際に今季のJリーグの試合でもDFの選手が早くオフサイド判定をしない審判に、かなり抗議をする姿を目にします。
これも再開位置が自分のゴールに近い位置となるためです。
まとめ
簡単にですが、オフサイドルールをまとめました。
実際にはかなり細かい例外があり、オフサイドの判定は、審判からするとかなり難易度が高いものになります。
今シーズンから始まっているJリーグジャッジリプレイの中でもオフサイドは多く取り上げられているため、参考として見てみると非常に面白いものとなります。
<Jリーグジャッジリプレイ>
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