※本記事は、「バロンドール2018は誰?受賞候補30人からデータに基づき独自予想!」という記事に、12月3日の受賞者発表を受けて加筆・修正をしたものです。
10月8日、バロンドールを主催するフランスのサッカー専門誌「フランス・フットボール」による、バロンドール2018の受賞候補者30人が発表されました。
その中には、バロンドール常連のクリスチャーノ・ロナウドやリオネル・メッシも名前を連ねています。
6月のロシアワールドカップで活躍したモドリッチ(クロアチア)、アザール(ベルギー)、グリーズマン(フランス)、ムバッペ(フランス)といった選手もノミネートされています。
ここ10年間は、クリスチャーノ・ロナウドとリオネル・メッシの2人がそれぞれ5回ずつ受賞する独占状態でした。見どころは、クリスチャーノ・ロナウドが3年連続6度目の受賞となるか、リオネル・メッシが3年ぶり最多6度目の受賞となるか、はたまた11年ぶりに新たな受賞者が現れるのか、といったところです。
過去のデータを分析しながら、バロンドール2018の今年の受賞者を独自に予想してみたいと思います。
2018.12.4追記:受賞者決定
- バロンドール2018を受賞したモドリッチの凄さとは!
- 最終順位も掲載しましたので、下記をご覧ください。
↓↓↓バロンドールの歴史や受賞者の決定方法を知りたい方はこちらもを合わせてお読みください。
バロンドール受賞候補者30人の一覧とデータ
今年のバロンドールの受賞候補者は30人です。多いと感じたでしょうか?それとも少ないと感じたでしょうか?この中からバロンドールに選ばれるのはたった一人です。私は意外に多いなと感じています。ただ、候補に選ばれるだけでも選手としては名誉なことなんでしょう。
過去には、中田英寿(1998,1999,2001)、稲本潤一(2002)、中村俊輔(2007)が候補にノミネートされたことがあります。ただし、誰も得票ポイントを獲得したことはありません。
それでは、2018年の候補者30人をクラブチームごとにみてみましょう!
見方は❶ポジション/背番号、❷生年月日(年齢)、❸身長/体重、❹17-18シーズンの主な活躍
※年齢はバロンドール発表時点(12月3日)のものとします。
12/4追記:最終順位
2位:C・ロナウド(ユヴェントス)
3位:A・グリエーズマン(A・マドリー)
4位:キリアン・ムバッペ(パリSG)
5位:リオネル・メッシ(バルセロナ)
6位:モハメド・サラー(リバプール)
7位:ラファエル・バラン(R・マドリー)
8位:エデン・アザール(チェルシー)
9位:ケビン・デ・ブルイネ(マンC)
10位:ハリー・ケイン(トッテナム)
11位:エンゴロ・カンテ(チェルシー)
12位:ネイマール(パリSG)
13位:ルイス・スアレス(バルセロナ)
14位:ティボー・クルトワ(R・マドリー)
15位:ポール・ポグバ(マンU)
16位:セルヒオ・アグエロ(マンU)
17位:ガレス・ベイル(R・マドリー)
17位:カリム・ベンゼマ(R・マドリー)
19位:ロベルト・フィルミーノ(リバプール)
19位:イバン・ラキティッチ(バルセロナ)
19位:セルヒオ・ラモス(R・マドリー)
22位:サディオ・マネ(リバプール)
22位:マルセロ(R・マドリー)
25位:アリソン・ベッカー(リバプール)
25位:マリオ・マンジュキッチ(ユヴェントス)
25位:ヤン・オブラク(A・マドリー)
28位:ディエゴ・ゴディン(A・マドリー)
29位:イスコ(R・マドリー)
30位:ウーゴ・ロリス(トッテナム)
レアル・マドリードから8人
①ギャレス・ベイル(ウェールズ代表)
❶FW/11、❷1989.7.16 (29)、❸185cm/82kg、❹17-18シーズン出場26試合中16得点
②カリム・ベンゼマ(元フランス代表)
❶FW/9、❷1987.12.19 (30)、❸185cm/81kg、❹17-18シーズン出場32試合中5得点
③ルカ・モドリッチ(クロアチア代表)
❶MF/10、❷1985.9.9 (33)、❸172cm/66kg、❹ロシアW杯MVP(ゴールデンボール)
④イスコ(スペイン代表)
❶MF/22、❷1992.4.21 (26)、❸176cm/79kg、❹スペイン代表で7試合5ゴール
⑤マルセロ(ブラジル代表)
❶DF/12、❷1988.5.12 (30)、❸174cm/80kg、❹UEFAチャンピオンリーグ3連覇に貢献
⑥セルヒオ・ラモス(スペイン代表)
❶DF/4、❷1986.3.30 (32)、❸184cm/82kg、❹UEFAチャンピオンリーグ3連覇に貢献
⑦ラファエル・ヴァラン(フランス代表)
❶DF/5、❷1993.4.25 (25)、❸191cm/81kg、❹UEFAチャンピオンリーグ3連覇に貢献
⑧ティボー・クルトワ(べルギー代表)
❶GK/25、❷1992.5.11 (26)、❸199cm/96kg、❹ロシアW杯最優秀GK(ゴールデングローブ)
リヴァプールから4人
⑨モハメド・サラー(エジプト代表)
❶FW/11、❷1992.6.15 (26)、❸175cm/71kg、❹17-18プレミア得点王(32得点)、プレミア個人賞3冠
⑩ロベルト・フィルミーノ(ブラジル代表)
❶FW/9、❷1991.10.2 (27)、❸181cm/76kg、❹17-18シーズン出場37試合中15得点
⑪サディオ・マネ(セネガル代表)
❶FW/10、❷1992.4.10 (26)、❸175cm/69kg、❹17-18シーズン出場29試合中10得点
⑫アリソン(ブラジル代表)
❶GK/13、❷1992.10.2 (26)、❸193cm/91kg、❹7月にGKとして最高額の移籍金でローマから移籍
FCバルセロナから3人
⑬リオネル・メッシ(アルゼンチン代表)
❶FW/10、❷1987.6.24 (31)、❸170cm/72kg、❹17-18リーガ得点王(34得点)
⑭ルイス・スアレス(ウルグアイ代表)
❶FW/9、❷1987.1.24 (31)、❸182cm/86kg、❹17-18シーズン出場33試合のうち25得点
⑮イヴァン・ラキティッチ(クロアチア代表)
❶MF/4、❷1988.3.10 (30)、❸184cm/78kg、❹リーガ・エスパニョーラ17-18優勝に貢献
アトレティコ・マドリードから3人
⑯アントワーヌ・グリーズマン(フランス代表)
❶FW/7、❷1991.3.21 (27)、❸175cm/71kg、❹ロシアW杯優勝に貢献、ブロンズボール受賞
⑰ディエゴ・ゴディン(ウルグアイ代表)
❶DF/2、❷1986.2.16 (32)、❸187cm/79kg、❹UEFAスーパーカップ優勝に貢献
⑱ヤン・オブラク(スロベニア代表)
❶GK/13、❷1993.1.7 (25)、❸189cm/84kg、❹17-18サモラ賞(リーガで1試合当たりの平均率が最も低いGKに与えられる賞)
パリ・サンジェルマンから3人
⑲エディンソン・カバーニ(ウルグアイ代表)
❶FW/9、❷1987.2.14 (31)、❸184cm/71kg、❹17-18リーグアン得点王(28得点)
⑳キリアン・ムバッペ(フランス代表)
❶FW/7、❷1998.12.20 (19)、❸178cm/73kg、❹ロシアW杯ヤングプレーヤー賞
㉑ネイマール(ブラジル代表)
❶FW/10、❷1992.2.5 (26)、❸175cm/68kg、❹17-18シーズン出場20試合のうち19得点
マンチェスター・シティから2人
㉒セルヒオ・アグエロ(アルゼンチン代表)
❶FW/10、❷1988.6.2 (30)、❸173cm/70kg、❹17-18シーズン出場25試合のうち21得点
㉓ケヴィン・デ・ブライネ(ベルギー代表)
❶MF/17、❷1991.6.28 (27)、❸181cm/68kg、❹プレミア17-18優勝に貢献
チェルシーから2人
㉔エデン・アザール(ベルギー代表)
❶FW/10、❷1991.1.7 (27)、❸173cm/76kg、❹ロシアW杯3位に貢献、シルバーボール受賞
㉕エンゴロ・カンテ(フランス代表)
❶MF/7、❷1991.3.29 (27)、❸168cm/68kg、❹ロシアW杯優勝に貢献
ユヴェントスから2人
㉖クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表)
❶FW/7、❷1985.2.5 (33)、❸187cm/83kg、❹17-18UEFAチャンピオンリーグ得点王(15得点)
㉗マリオ・マンジュキッチ(元クロアチア代表)
❶FW/17、❷1986.5.21 (32)、❸190cm/85kg、❹ロシアW杯決勝でオウンゴールと自ゴール
トッテナムから2人
㉘ハリー・ケイン(イングランド代表)
❶FW/10、❷1993.7.28 (25)、❸188cm/86kg、❹ロシアW杯得点王(6得点)
㉙ウーゴ・ロリス(フランス代表)
❶GK/1、❷1986.12.26 (31)、❸188cm/82kg、❹ロシアW杯優勝に貢献
マンチェスター・ユナイテッドから1人
㉚ポール・ポグバ(フランス代表)
❶MF/6、❷1993.13.15 (25)、❸191cm/84kg、❹ロシアW杯決勝でゴール
バロンドール歴代受賞者のデータを分析
バロンドール・FIFA最優秀選手賞・UEFA欧州最優秀選手賞との関係
FIFA最優秀選手賞は、FIFA(国際サッカー連盟)が主催する年間の最優秀選手に与えられる賞で、各国の代表監督、主将による投票で決定されます。2010年から2015年の間は、バロンドールと統合されてFIFAバロンドールとなっていましたが、2016年からもとのFIFA最優秀選手賞に戻っています。
UEFA欧州最優秀選手賞は、UEFA(欧州サッカー連盟)とESM(欧州スポーツ雑誌組合)が共同で主催する、ヨーロッパのクラブチームで最も活躍した選手に与えられる賞で、スポーツ記者による投票によって決定されます。FIFAバロンドールの選考方法に疑問を持ったUEFAの会長プラティニが主導し、2011年にかつてのバロンドールに代わる賞として創設されたものです。UEFA年間最優秀選手賞(UEFAチャンピオンズリーグで最も活躍した選手に贈られる賞)が前身となります。
2000年からの受賞者を表にして比較してみます。
バロンドール (※1) |
FIFA最優秀選手賞 (※1) |
UEFA欧州最優秀選手賞 (※2) |
|
2000 | ルイス・フィーゴ | ジネディーヌ・ジダン | フェルナンド・レドンド |
2001 | マイケル・オーウェン | ルイス・フィーゴ | シュテファン・エッフェンベルク |
2002 | ロナウド | ロナウド | ジネディーヌ・ジダン |
2003 | パベル・ネドベド | ジネディーヌ・ジダン | ジャンルイジ・ブッフォン |
2004 | アンドリー・シェフチェンコ | ロナウジーニョ | デコ |
2005 | ロナウジーニョ | ロナウジーニョ | スティーブン・ジェラード |
2006 | ファビオ・カンナヴァーロ | ファビオ・カンナヴァーロ | ロナウジーニョ |
2007 | カカ | カカ | カカ |
2008 | クリスチャーノ・ロナウド | クリスチャーノ・ロナウド | クリスチャーノ・ロナウド |
2009 | リオネル・メッシ | リオネル・メッシ | リオネル・メッシ |
2010 | リオネル・メッシ | ディエゴ・ミリート | |
2011 | リオネル・メッシ | リオネル・メッシ | |
2012 | リオネル・メッシ | アンドレス・イニエスタ | |
2013 | クリスチャーノ・ロナウド | フランク・リベリー | |
2014 | クリスチャーノ・ロナウド | クリスチャーノ・ロナウド | |
2015 | リオネル・メッシ | リオネル・メッシ | |
2016 | クリスチャーノ・ロナウド | クリスチャーノ・ロナウド | クリスチャーノ・ロナウド |
2017 | クリスチャーノ・ロナウド | クリスチャーノ・ロナウド | クリスチャーノ・ロナウド |
2018 | ルカ・モドリッチ追記 | ルカ・モドリッチ | ルカ・モドリッチ |
※1 2010年~2015年はバロンドールとFIFA最優秀選手賞が統合して、FIFAバロンドール
※2 2010年以前はUEFA年間最優秀選手の受賞者
バロンドールとFIFA最優秀選手賞との関係(2010-2015は除く)
2000年から2017年まで(2010-2015は除く)の13回のうち8回と、約6割の割合で同じ選手が選ばれています。
2005年から2017年まで(2010-2015は除く)は、7年連続で同じ選手となっています。
このデータからは、バロンドールとFIFA最優秀選手賞は一致する可能性が高そうですね。2018年のFIFA最優秀選手賞はレアル・マドリード所属のルカ・モドリッチ(クロアチア)が受賞しています。
バロンドールとUEFA欧州最優秀選手賞との関係(2011~2017)
UEFA欧州最優秀選手賞が創設された2011年から2017年の7回のうち5回と、約7割の割合で同じ選手が選ばれています。
2018年のUEFA欧州最優秀選手賞は、FIFA最優秀選手賞と同じくルカ・モドリッチ(クロアチア)が受賞しています。
また、2016年からは3つの賞となりましたが、2年連続で1人が3冠を取っています。
これらのデータから見ると、2018年のバロンドールもルカ・モドリッチの可能性が高いと考えられます。(追記:12/3モドリッチに決定)
W杯での成績との関係
今年2018年はロシアワールドカップが開催され、ここで活躍した選手も多くノミネートされています。そこで、過去のワールドカップ年において、ワールドカップでの成績とバロンドールとの間に相関関係があるか調べてみました。
W杯開催地 | W杯MVP(チームの成績) | バロンドール(W杯でのチームの成績) | |
2018 | ロシア | ルカ・モドリッチ(準優勝) | ルカ・モドリッチ(準優勝)追記 |
2014 | ブラジル | リオネル・メッシ(準優勝) | クリスチャーノ・ロナウド(W杯GL敗退) |
2010 | 南アフリカ | ディエゴ・フォルラン(4位) | リオネル・メッシ(W杯ベスト8) |
2006 | ドイツ | ジネディーヌ・ジダン(準優勝) | カンナヴァーロ(W杯優勝) |
2002 | 日韓 | オリバー・カーン(準優勝) | ロナウド(W杯優勝) |
2002年以降で見てみると、ワールドカップでMVPを取った選手がバロンドールも受賞している事例はひとつもありません。W杯のMVPとバロンドールとの間に相関関係は特にありませんでした。
ワールドカップは確かに全世界の人々が観ますので、活躍すれば強く印象に残りますが、言ってみれば短期決戦です。やはりシーズン通して活躍した選手が評価されるということなんでしょう。
となると、リーガを制し得点王にも輝いたリオネル・メッシ、前所属のレアルでCLを制したクリスチャーノ・ロナウド、プレミアリーグの年間得点記録を塗り替え得点王に輝いたリヴァプールのモハメド・サラー、リーグアンで得点王にも輝き、ロシアW杯でも印象的なゴールを残したパリ・サンジェルマンのエディンソン・カバーニあたりにもチャンスがあるんじゃないでしょうか。
バロンドールと所属クラブチームとの関係
バロンドールの受賞者はやはり強豪と呼ばれるビッグクラブに所属しています。常に上位争いをしているチームであれば、活躍する機会も増え、それが報道されることで知名度も上がります。今回の受賞候補者30人を見てもビッグクラブに所属している選手が多いです。
候補者30人の所属するクラブチームが、過去に何回バロンドールを受賞しているのか調べてみました。
FCバルセロナ | リーガ | 受賞者6人で11回受賞 |
レアル・マドリード | リーガ | 受賞者6人で10回受賞 |
ユヴェントス | セリエA | 受賞者6人で8回受賞 |
マンチェスター・U | プレミア | 受賞者4人で4回受賞 |
リヴァプール | プレミア | 受賞者1人 |
アトレティコ・マドリード、パリ・サンジェルマン、マンチェスター・C、チェルシー、トッテナムは受賞経験はありません。
過去に受賞経験がないからと言って選ばれないわけではありませんが、やはりビッグクラブの方が常に優勝争いに絡んでいきますので、バロンドールに選ばれる傾向が強いと言えると思います。
そうなると、2017-18のUEFAチャンピオンリーグを制したレアル・マドリードに所属するルカ・モドリッチ、各主要リーズを制したFCバルセロナに所属するリオネル・メッシ、ユヴェントスに所属するクリスチャーノ・ロナウド、パリ・サンジェルマンに所属するエディンソン・カバーニの4人に絞られてきました。
総合的にみてバロンドールはこの選手だ!
クリスチャーノ・ロナウドも、リオネル・メッシも素晴らしい活躍をしてみせており、バロンドールにふさわしいといえると思います。候補者30人の中でも、一歩抜き出た感はあります。
一方今年ロシアワールドカップでダークホースのクロアチアを準優勝に導いたルカ・モドリッチの活躍は、多くのスポーツ記者の目に焼き付いたことでしょう。
すでに、FIFA最優秀選手賞では、各国の代表監督・主将による投票で、UEFA欧州最優秀選手賞では欧州のスポーツ記者による投票によって、ルカ・モドリッチが2冠を達成しています。
この2冠という事実は、一番最後に行われるバロンドールの投票においてかなり有利に働くと思われます。
また、これまで10年続いてきたクリスチャーノ・ロナウドとリオネル・メッシの2大体制に終止符を打ちたいと思っている全世界のスポーツ記者はたくさんいると思われます。それぞれ5回受賞のまま終わった方が、結局どちらが最強だったのかという謎を残したまま、後世に語り継がれるので面白いんじゃないでしょうか。
以上より、今年のバロンドール受賞者はズバリ、ルカ・モドリッチでほぼ間違いないと予想します!(追記:12/3モドリッチに決定)
まとめ
個人的にはそろそろ違う選手がバロンドールを取ってほしいなと思っていたところに、モドリッチのロシアW杯での活躍があり、所属するレアル・マドリードもCLで優勝するなど、モドリッチがバロンドールを受賞する舞台は整ったと思います。
なお、ルカ・モドリッチは、バロンドールを主催する「フランス・フットボール」のインタビューで、バロンドールはアトレティコ・マドリードのアントワーヌ・グリエーズマンがふさわしいと語ったということです。謙虚ですね。

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