2017シーズン、元ドイツ代表のポドルスキ選手の獲得で世界的に注目を集めたヴィッセル神戸。
2018シーズンは不可能と言われていた現役スペイン代表のイニエスタ選手の獲得にも成功し、さらに2019シーズンには南アフリカワールドカップ得点王のダビド・ビジャ選手の獲得も内定しています。
ヴィッセル神戸がこれらの大型補強の先に目指すべき姿とは、いったいどのようなチームビジョンなんでしょうか。
ヴィッセル神戸のバルサ化
これまでのJリーグではあり得なかったビックネームを次々と獲得する神戸は、この大型補強の目的として、アジアのバルセロナを目指すことを明言しています。
その言葉通り、監督にはグアルディオラ監督が師と仰ぐマヌエル・リージョ氏を招へいし、さらに元バルセロナのサイドバック、アドリアーノ選手の獲得も濃厚と報道されています。
バルセロナに所属する世界的なディフェンダーであるピケ選手も将来の神戸入りが決まっていると言われており、その勢いは留まることを知りません。
三木谷社長の存在
次々にワールドクラスの獲得に成功している背景には、言わずもがな三木谷氏の存在があります。
楽天の創業者であり、社長も務める三木谷氏の総資産は5,700億円と言われており、ビックネーム獲得の際には、彼の私財を投じていると言われています。
楽天は2004年からヴィッセル神戸の実質的な親会社となっていましたが、ポドルスキ獲得以前は大きな投資をすることはなく、むしろプロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスに力を入れていた印象があります。
転機になったのは、2017年のバルセロナと楽天のスポンサー契約です。
この契約により日本企業として初めてバルセロナのユニフォームに社名が乗ることになりました。
そこから三木谷氏のサッカーへの力の入れようが目に見えて変わります。
三木谷氏自身は、一連の動きについて、楽天の世界ビジネス戦略の一環であることは間違いないが、それ以上に出身地である神戸の盛り上げと、日本サッカー界のレベルアップに貢献したいという思いが優っていると語っています。
イニエスタ加入の影響
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世界的なスーパースターであるイニエスタ選手加入による、Jリーグへの影響は凄まじいものがありました。
まず加入後の神戸の試合はホーム、アウェイ問わず毎試合完売となり、日本各地のスタジアムを大きく盛り上げました。
さらにイニエスタ選手は影響力の強い選手として知られ、そのSNSのフォロワー数は7500万人に上ります。
この数はサッカー界ではトップのクリスティアーノ・ロナウド選手に次ぐ数字です。
彼が日本での安全な生活や、Jリーグへの満足感をSNSを通じて発信していることから、これまで中国や中東に流れていたビックネームが日本に来る流れを作ったと言われています。
事実、鳥栖に加入したフェルナンド・トーレス、そして神戸に加入するダビド・ビジャは加入に際してイニエスタの存在を上げており、彼がいなければ日本に来ることはなかったでしょう。
更にイニエスタ選手の加入によって、Jリーグはルールまで変更しました。
1つはシーズン固定番号制の廃止、もう1つは外国人枠の撤廃です。
前者はイニエスタが背番号8を背負うため、後者はイニエスタの影響で日本に興味を持った外人選手の受け入れ枠拡大を狙ったものと言われます。
山口蛍の獲得
改めまして、
新年明けましておめでとうございます🎍新加入の #山口蛍 選手からファン・サポーターの皆様へ新年のご挨拶です😊✨#vissel #visselkobe #HappyNewYear #謹賀新年 #あけおめ #一致団結 #WeAreKobe pic.twitter.com/ZSMHTUgwh5
— ヴィッセル神戸 (@vissel_kobe) January 1, 2019
神戸は先日、セレッソ大阪から日本代表の山口蛍選手を完全移籍で獲得したことを発表しました。
Jリーグでは日本代表クラスの選手が、同じJ1のカテゴリーのチームに移籍することは非常に稀です。
山口選手はセレッソの下部組織出身であり、さらにキャプテンまで務めていた選手であり、ドイツから日本に戻ってきた経緯からもJリーグ内での移籍は有り得ないと言われていました。
そんな山口選手の獲得は非常に難しいミッションであったと思われますが、獲得に成功した背景には、神戸が進める強化方針と楽天のバックアップがあったのは間違いないでしょう。
2019シーズンの神戸
このオフシーズンの動きによって、神戸の前線は非常に豪華になりました。
実績だけを見れば、優勝しなければおかしいと言えるほどの選手層です。
懸念があるとすれば、ポドルスキ選手(33歳)、イニエスタ選手(34歳)、ビジャ選手(37歳)の年齢でしょう。
恐らく、この年齢の選手がシーズンフル稼働するのは難しいと思われます。

そのため、バックアップを務める日本人選手達の存在が重要と言えます。
そういった意味で、FC岐阜(J2)での活躍が認められ2018シーズン途中で神戸に完全移籍した古橋亨梧選手、郷家友太選手に掛かるチームからの期待は非常に大きく、外国籍選手の欠場時にどれだけ攻撃のクオリティーを維持できるかが鍵となるでしょう。
一方、不安なのは守備陣です。
2018シーズンは52失点を喫していますが、これは優勝した川崎の27失点のほぼ倍に近い数字です。
攻撃陣が毎試合爆発すれば、問題ないかも知れませんが、少なくとも52失点では優勝は不可能でしょう。
豪華な攻撃陣と比較し、守備陣の即戦力補強は今のところ成功しておらず、これまでのところ即戦力補強はボランチの山口選手のみです。
ディフェンスラインとゴールキーパーが昨シーズンと変わらないのであれば、山口選手に掛かる期待は非常に大きく、中盤で彼がどれだけボールを狩れるかに掛かってくるのではないでしょうか。
まとめ
前線の3選手は、全員ワールドカップを勝ち取っており、その経験値は計り知れないものがあります。
神戸はイニエスタ選手に、鹿島におけるジーコのような存在になってほしいと期待しています。
ジーコが残した勝者のメンタリティは、鹿島に20冠をもたらしました。
神戸のJリーグの獲得タイトル数は0です。
今後、イニエスタ選手が神戸に何を残すのか、注目したいと思います。
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